潜水服とボーンとつぐない
☆潜水服は蝶の夢をみる
「ロックト・インシンドローム(閉じ込め症候群)」になったELLEの編集者ジャン=ドミニク・ボビーの実話。
アメリカ映画ですが割とヨーロッパ風です。ジュリアン・シュナーベル監督が前衛画家なので、そのせいでしょうか。よくある感動を押し売りするような表現はせず、ドキュメンタリーテイストで淡々としています。。
主人公は脳梗塞により身体が動かなくなり左目の瞬きだけで自伝を書き上げます。
その入院生活と思い出と妄想が完全に主人公の主観で描かれます。
テレビのチャンネルを変えられて不満になったり、看護婦に恋して気を引こうと意地悪したり、女性の胸とかに目が泳いだり、人間的描写が多いです。
でも見舞いに来たくても自分も身体が不自由で来れず、泣きながら電話する父親との瞬きを通して伝言でするしかない対話は泣けました。
ジャン=ドミニクを演じるマチュー・アマルリックは新作007にも出てます。
☆ボーンシリーズ
記憶喪失の元CIAの殺し屋・マット・ディモンの逃走劇、3本続きものです。
「ボーン・アイデンティティー」は別の監督ですが。
続編の「ボーン・スプレマシー」「ボーン・アルティメイタム」はポール・グリーングラス監督です。
監督の「ユナイテッド93」がよかったので遅ればせながら見ました。
「ユナイテッド93」でも管制室での人々の描写がものすごくうまくて緊迫感がありました。「ボーン」でもCIAのボーン捕獲作戦室の描写がとてもよいです。
もちろん個人のアクションも緊迫感が溢れ、スピーディーな無駄のない展開は息継ぎする間さえないぐらいです。細かい動きでも油断ができません。
監督の最新作は「グリーン・ゾーン」だそうです。主演・マット・デイモン。
楽しみです。
☆つぐない
主人公の少女が使用人の息子である姉の恋人を無実の罪で投獄させてしまう話が前半。後半は彼が送り込まれたダンケルクの戦場と、看護婦→作家となる主人公のその後の人生です。
主人公は幼馴染でもある彼と姉の恋愛を覗き見て、彼が不純な人だと短絡に思い込んでしまいます。また、自分もほのかに想っていたらしいので嫉妬もあったようです。
「ピアノ・レッスン」で、娘が母親の不倫を告げ口したことで、継父親が母親の指を切り落とす話を思い出しました。少女の短絡な正義感が招く悲劇が共通しています。
きれいに描きすぎてドロドロというか汚さが足りないかな、と個人的に思いました。でもラストの波打ち際で戯れる姉たちはじんわりきました。
またしても嘘なのに贖罪になるのか、少なくとも主人公はそう書くことで罪悪感に終止符を打ったということでしょう。
姉の恋人役のジェームズ・マカヴォイはなかなか男前です。原作はイアン・マキューアンの『贖罪』。
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